妊娠とお口の管理

 

第二話
「『一子産めば一歯失う』って本当?」
てい歯科医院 西脇 祥子
 妊娠中にう蝕(むし歯)や歯周病(歯槽膿漏)が進行し、出産後に歯が悪くなった事に気付くことが多いため、昔から「一子産めば一歯失う」と言われてきました。妊娠中に歯が悪くなる理由としては次の点が挙げられます。
1) つわりのため歯磨きが面倒になり、口の中の衛生状態が低下して、むし歯菌、歯周病菌が増殖する。
2) 間食の回数が増えたり嗜好が変わる(酸味を好む)といった食生活の変化。
3) 唾液の分泌量が減少し、口の中の自浄作用が低下する。唾液が酸性に傾く(歯が溶け易くなる)。
4) ホルモンのバランスが変化し、歯周病菌が増殖する。
5) 歯科受診の機会を逃し、症状が進行してしまう。産後は育児にも追われ歯の治療のための時間がとりづらい。
 妊娠中にう蝕や歯周病が進行すると、お母さんの身体だけでなく、生まれてくる赤ちゃんにもさまざまな悪影響を及ぼします。この点については次回でお話します。楽しみにしていてくださいね。

 

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