更年期あれこれ



中高年女性とストレス

 

 現代社会ではストレスのかかることがたくさんあります。昔に比べてストレスが増えた、あるいは現代人はストレスに弱くなったかは別にして、社会が便利になった半面、複雑化し閉塞感を持つ人が増えています。経済的状況から仕事をもつ中高年女性は多いのですが、家庭での役割はまだまだ女性が果たし、中高年女性が介護などに携わる機会や期間も増えています。

 中高年女性を取り巻くストレス環境はおおよそ4つに分けることができます。(1)自分の問題(健康への不安、仕事、閉経による女性の喪失感、老いへの不安など)、(2)夫の問題(夫・姑との不和、夫の生活態度、暴力、転勤、退職、病気、死、夫との一体感の喪失など)、(3)子供の問題(生活態度、受験、進学、就職、結婚など)、(4)親・友人の問題(親の病気、介護、死など)です。 

 ストレスが個人の許容量を超えると様々な症状につながります。大きなストレスにも耐えうる人もいれば、少しのストレスでも症状につながる場合もあります。そこには性格的な要素が大き<関係します。ただ、中高年女性はホルモン環境の変化、生活環境の変化、人生の転換期にあることなどから、基本的に心身の動揺を敏感に感じやすく、わずかな身体的不調や精神的ストレスでも不定愁訴につながることがあります。自分自身の変化を受容でき、新しい人生のスタートがきれれば充実した中高年期となり、健康的な老年期につながります。逆に、中高年女性が身体的不調や精神的ストレスによる症状を引きずるのであれば、運動不足、精神的不安定や過食などが重なり、生活習慣病(糖尿病、高血圧、動脈硬化、肥満)発症にもつながります。

 私の婦人科専門外来では、病気の治療や予防医学とともに健康に関わる問題にも対応しています。


(林産婦人科 婦人科専門外来担当医)

 

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